今こそ中年・・・!? ジョブ型雇用の拡大に伴う採用スタイルの変革

企業の採用支援を行う弊社では、様々な業種・業界企業の採用担当の方から人材のご要望をお聞きしておりますが、その中でも「とにかく若手が欲しい」「色の着いていない人材が欲しい」など、若手や転職回数の少ない人材が求められるケースが多くございます。

しかし、下の図を見ていただければわかる通り、日本は少子高齢化に歯止めがかからず、若手人材の獲得は日に日に難易度を増しています。


人工の年齢構成を比較

出典:文部科学省 時点

 

2050年には15歳~65歳の生産人口と呼ばれる世代は15%も低下し、3割以上が65歳以上の超高齢化社会へ向けて推移していきます。

そんな中、大手企業を中心にジョブ型雇用の導入がはじまっています。
コロナウイルスによるリモートワークなどの働き方の変化や、それに伴う多様性(ダイバーシティ)の考え方に合わせて、専門性を高め多様な価値観を受け入れながら働くことを目的としているといわれております。

また、大手の新卒一括採用方式を崩し、中途人材の流動をより活性化する目的もあるといわれております。

このように、大手企業を中心にこれまでの採用手法や働き方・評価軸を刷新していく中で、中小企業がどのように採用を行っていくべきかを考えたいと思います。

 

1.ジョブ型雇用とは・・・?

 
簡単にですが、ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用を比較してみます。

 

2.従来の雇用とは何が違うの?

 

ジョブ型雇用は、かなり限定的にスキルマッチを行い、人ではなくスキルを評価していく雇用制度となります。

おそらくですが皆様が一般的に中途採用しているのは、ジョブ型とメンバーシップ型の間をとったような採用ではないでしょうか。

業務は「ある程度限定的」
スキルは「専門性も欲しいけど、会社を広く理解して欲しい」
転勤は「必要があればしてほしいが、現状は限定的」
給与は「年齢・勤続年数やスキルによる複合的な判断ですが、明確に決まってはないので、他の人との相場で判断」

といったように、会社のWANTを多く含んだ雇用ではないでしょうか。

 

ジョブ型採用では、こういったあやふやな判断を出来るだけ排除し、社員と会社が明確で限定的な契約で締結される雇用関係となります。

 

3.なぜジョブ型雇用が推進されているか

 

日本では長くメンバーシップ型雇用が普及し、良くも悪くも会社に長くいることが評価につながっていました。
総合職的な働き方をし、会社に長く在籍するための働き方をとる人材が多く、専門的なスキルを活かして働く人材が減少し、日本として「国際競争力の低下」が課題となっております。
「国際競争力をあげるため」には、専門的なスキルをもった人材が評価される仕組みが必要となりました。

そこで、海外では従来より導入されているジョブ型雇用を活用し、日本でも専門的なスキルを持った人材の育成に注力していこうという流れなのです。
そこに、コロナウイルスによる働き方の変化や、ダイバーシティの浸透も相まって、働き方の多様性を受け入れていくことが、企業の人材確保にもつながるため、ジョブ型雇用が推進されているのです。

 

4.自社に適正な人を採用するために

 

昨今の採用市場では、冒頭でもお話しした通り、大企業・中小企業を問わず、若手のニーズが強く中途でジョブ型雇用をというケースは少ないのが現状です。
これは、やはり中途市場で流動している中堅層のスキルがジョブ型雇用とマッチしていない現状があります。

「スキルがあるのかよく分からない中堅層よりも、スキルがなくてもいいから育てる時間がある若手を採用しよう」
という気持ちはとてもよくわかります。

しかしながら、若手採用についてはやはり知名度のある大手企業が強く、中小企業では採用にかかるコストパフォーマンスが悪い傾向にあります。
さらに減少していく若手を採用する難易度がかなり高いことは明白です。

求人はたくさんあり、求職者もたくさんいるなかで、採用成功できないのは、企業ニーズが時代にマッチしていないケースも多々あると思います。

給与やお休みなど条件面で他社に勝てない・働き方の多様性で大手に勝てない・明確に他社に勝てる技術がないなどの状況はなかなか変えられないと思いますが、少しでも時代に合った採用にシフトするためにも、若手にこだわらず、幅広い世代に注目した採用を行ってみてはいかがでしょう?

 

5.本当に欲しい人材を考える

 

必要な人材を改めて考えたときにどのようなスキルが必要でしょうか・・・?

貴社が他社と比べて、魅力的に打ち出せる強みは何でしょうか・・・?

その二つがマッチするターゲットはどんな方でしょうか・・・?

貴社にとってのペルソナを考える中で、無意識的にターゲットを絞ってはいないでしょうか。
これから入社して活躍される方の条件として、年齢は一つのファクターではありますが、決してフィルターにはならないと考えます。

今後、ジョブ型雇用が推進されると、今よりも転職することが当たり前となり、一社で長く勤めあげる意識は希薄になっていくことが考えられます。

そんな中、貴社で長く活躍していただく人材のターゲットの方が、入社後どのように活躍できるか、どうすれば長く定着するかを改めて考えるタイミングかもしれません。

 
 
 
 
 

フォロアスでは、様々なターゲットへのアプローチのノウハウや、入社後の定着支援など、採用に関する幅広い領域のご支援が可能です。

企業によって抱える課題は様々あると思いますが、フェーズに合わせたご提案が可能ですので、ぜひ、お気軽にお問い合わせください。

 

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